
薪ストーブの煙突、なぜ「有効高さ」が燃焼を左右するのか
ある冬の現場調査で、煙が室内に逆流するという苦情を受けた住宅を訪ねたとき、真っ先に目に入ったのは屋根から突き出た煙突の、あまりにも短い姿だった。施主は「薪が悪いのでは」と疑っていたが、問題は燃料でも炉でもなかった。煙突の設計そのものが、燃焼を成立させるドラフト圧を生み出せていなかったのだ。日本では薪ストーブの設置件数が2010年代以降に急増し、国土交通省の住宅着工統計でも暖房器具の多様化が確認されているが、煙突設計に関する施主向けの情報は依然として断片的だ。この記事では、実際の施工計測データをもとに、有効高さとドラフトの関係を順を追って整理する。


